- かゆみを伴う赤い湿疹。数時間で消えるが、繰り返し出現する。
- 原因を特定できないことが多い
- 1か月以上続くじんま疹は、効果のある内服薬をつづけることが大事
かゆみを伴う一時的な湿疹の総称です。全身のどこにでもできますが、擦れたり圧迫されやすいところ、また、身体の内側皮膚の敏感な部分にでやすい傾向があります。
何らかの原因により肥満細胞よりヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、血管透過性が亢進し、赤く膨らんだ湿疹(膨疹)を形成します。
蕁麻疹の発症には、様々な原因があります。
- ストレス=転職・転校、多忙な生活など、身体や心へのストレスが原因になります。ただし、特定できないことが少なくありません。
- 発汗により誘発される=コリン性じんま疹
- 温熱=温熱が加わった部位に出現
- 寒冷=寒冷刺激部位に出現するもの、全身に出現するものがあります
- 日光過敏性=日光暴露部位に一致して出現します
- 圧迫によるもの=下着装着部位など圧の加わった部位に数時間後に出現
- 水=おもに海水に触れると数分で出現
- 機械製=擦過などの刺激を受けた部位に出現
- 接触=代表的なものは、ラテックスや昆虫によるものです
他にも、細菌感染、全身疾患、生活リズム、食べ物、職業環境、薬剤、ストレスなど様々の要素が存在し、原因となり増悪因子となり複雑に関与して発症します。
季節の変わり目や年度の切り替わる時期、春や秋に発症が多い傾向があるのですが、実際には、その70~80%は明確な原因を特定できません。
治療は、抗ヒスタミン薬の内服が第一選択です。症状が強い場合や難治性の場合は、ロイコトリエン拮抗薬の内服や注射薬を併用します。慢性蕁麻疹の場合、胃薬も有効です。
蕁麻疹は、皮膚炎を繰り返すことが特徴であるため、治療の第一目標は症状を繰り返さないようにすることです。そのためには、薬の効果が途切れないように、毎日内服を続けるようにしましょう。蕁麻疹日記をつけて、どのようなときに症状が出現するかを観察することが効果的な場合もあります。
内服していても症状が続く場合は、内服薬を調整し症状が出現しないようにすることで治癒が期待できます。根気よく内服を継続することが最も大切です。