発症前から(症状がないときから)感染力がある
風邪やインフルエンザは、咳や熱など、発症してから人にうつしてしまう感染力が出現します。ところが、新型コロナウイルスは、発症の2日前より感染力があることがわかっています。
発症後も7日~10日程度感染力があることから、感染力は、発症前後でおおむね2週間程度あると考えられています。(そのため、出入国等の際、2週間の隔離期間が設定されているのです)
症状のない感染者が50%以上いる
感染から治癒まで、まったく症状のない感染者が50%以上いるといわれています。症状のない人は検査をうけないため、正確な数を示すことは困難ですが、80%が無症状とする報告もあります。つまり、自覚症状がなくても、ご自身の感染予防だけではなく、人に感染させないことを意識することが重要です。
感染の確認をするためには、PCR検査等をうける以外に方法はない
症状の多くは、発熱、咳、倦怠感、呼吸苦です。他に、味覚障害、嗅覚障害が15%程度、下痢は10%程度に認められます。
ただし、風邪や副鼻腔炎、蓄膿、扁桃腺炎、ウイルス性胃腸炎でも同様の症状は出現します。つまりコロナ特有の症状というものがないため、診断を確定するには検査をうける必要があります。
4日以上症状が持続する方、周囲に感染を疑うまたは感染者がいた方、多人数での会食などの後に症状が持続する方は、東京都発熱相談センター03-5320-4592に相談するか、発熱外来を受診しコロナ感染診断のための検査を受けることをお勧めします。
感染している人がPCR検査をうけても、10人中2~3人は陰性になる可能性がある
インフルエンザ感染診断の迅速検査を受けて、最初は陰性、後日再検査したら陽性だったという経験はありませんか?
検査を行うタイミングにもよりますが、同じように、新型コロナウイルスに感染していても、PCR検査で必ず陽性になるわけではありません。
コロナウイルスのPCR検査の感度は70%台といわれています。つまり、感染している方が検査をうけても、10人中2~3人が陰性となり、見逃されてしまう可能性があるのです。そのため、疑わしい場合は、数日おいてから再検査をする必要があります。
逆に、PCR検査で陽性となった場合、実際に感染していない確率は1%以下です(特異度99%)。陽性となった場合の診断率は非常に高い検査です。
PCR検査が陰性だから絶対感染していない、とはいえないため、たとえ検査で陰性と判断された後でも、発熱や倦怠感などの症状が持続している方は、ご家族や周囲の方にうつさぬよう慎重に行動していただき、発熱外来を再受診するようお願いします。
症状がなくても感染している可能性がある、人にうつす可能性があるということも常に意識していただき、日ごろから感染予防に努めていただきますようよろしくお願いします。